2005年09月06日

カトリーナ被災地 - ブッシュが食料を配る映像は全くの茶番

カトリーナ関連のニュースを見ていると本当に気が滅入ってくる。

Mayor C. Ray Nagin's Interview - New York Times

ニューオーリンズ市長(黒人)のインタビュー内容。ブッシュが最初にニューオーリンズに来る直前のもの。左コラムに音声へのリンクがある。怒り狂っているのがよくわかる。
NAGIN: I need reinforcements, I need troops, man. I need 500 buses, man. We ain't talking about -- you know, one of the briefings we had, they were talking about getting public school bus drivers to come down here and bus people out here.

ブッシュ大統領、被災地を初視察 支援活動も本格化
救助活動の遅れには「(当局の)反応には満足している。すべての結果に満足してはいないが」と述べるにとどまった。
この言葉が人々の猛烈な怒りを買った。

CNN.co.jp : 被災地の地元紙、「公開書簡」で連邦政府の対応を批判 - USA

ここでも紹介したニューオーリンズの地元紙 Times-Picayune が、社説で怒りの声をぶち上げた。
書簡は、ニューオーリンズの住民が助けを求め、食料を待ち続けている間、政府は同市への到達手段をめぐる議論に数日間を費やしたと批判。ハリケーン上陸から3日後の9月1日には報道陣や民間のトラックが市内に入っていたのに、「国民を守り、真っ先に支援に駆け付けるべき人々の姿は見えなかった。部隊を派遣するはずの人々も、市内へ到達できないと嘆くばかりだった」と指摘した上で、「大統領閣下、われわれは怒っています」と訴えた。

原文はここ。

An Angry 'Times-Picayune' Calls for Firing of FEMA Chief and Others in Open Letter to President On Sunday
We’re angry, Mr. President, and we’ll be angry long after our beloved city and surrounding parishes have been pumped dry. Our people deserved rescuing. Many who could have been were not. That’s to the government’s shame.

Times-Picayune 09/05/2005
「地獄も7日目」


一方、被災者・死者の大多数を占めている黒人の社会からブッシュ政権に対して大きな非難が上がっている件。名にしおう「差別はないが区別はある」二重社会のゆがみが極限状態ですべて噴出してしまった形だ。怒るのも当たり前だ。

米ハリケーン、絶望の黒人貧困層…ニューオーリンズ
ジャズ発祥の地ニューオーリンズは、黒人と貧困の街でもある。19世紀には米国最大の黒人奴隷市場があり、今も46万人の人口の3分の2が黒人だ。貧困層の割合は全米平均の約2倍で、両者は密接に重なる。貧困層は市内でも水害に最も脆弱(ぜいじゃく)な地域に暮らしていた。
 一方、白人の多くは事前に退避した。ニューオーリンズ郊外で会った1人は、大破した自宅を前に「これで寝室が造り直せる」と語った。白人の中間層は、保険をかけているから住宅損壊も黒人ほどにはこたえない。「災害は人を差別する」という言葉は今回のハリケーンに最も悲惨な形で当てはまってしまった。

notrax : カニエ・ウェスト、「カトリーナ」被害救援についてブッシュ大統領を非難。
彼は「ジョージ・ブッシュはブラック・ピープルのことなんて気にかけちゃいない! 裕福な連中はなるべく後回しにして(アメリカ全体が)貧困層やブラック・ピープルを助けるために協力すべきだ」とコメント。そのほかにも「メディアの取り上げ方も気に入らない。おれたち黒人を映すと『略奪してる』と言うが、白人ならそれが『食料を求める』って表現になる。赤十字は全力を尽くしてるが、連邦政府はカリブ海沿岸部の救済に引きずられている」などと語った。

NIKKEI NET:米政権、「対応遅れ」批判かわしに懸命・主要閣僚被災地へ
アラバマ州出身のライス長官は、被災地で多くの黒人が取り残されている背景に人種差別があるのではとの批判が出ていることに真っ向から反論。「大統領をはじめ、だれ1人として被災者を人種によって放置したことはない」と強調した。

NIKKEI NET:米大統領が被災地再訪――排水作業が本格化

nojazz.jpg
写真は明らかに黒人を選んで抱擁したり話をしているブッシュ。
自分もこの映像はテレビで見ていたのだが、いつもと同じ調子で一人でべらべらしゃべり、明らかに浮いているブッシュ。周りの黒人は悲惨な顔こそすれ、うれしそうな顔などしない。上の写真はよっぽど選んだものじゃないのか。

で、この再訪のニュースで、壊滅した Biloxi の町の野外の食糧配給所で、ブッシュが食べ物や水を配っている映像が流れたのだが、これがとんでもない茶番であったことをドイツのテレビ局 ZDF が伝えている。

Kathryn Cramer: On Camera Food Distribution "a Completely Staged Event"
ZDF News reported that the president's visit was a completely staged event. Their crew witnessed how the open air food distribution point Bush visited in front of the cameras was torn down immediately after the president and the herd of 'news people' had left and that others which were allegedly being set up were abandoned at the same time.

The people in the area were once again left to fend for themselves, said ZDF.

Is This A National Tipping Point? - Opinion - Chattanoogan.com
And those women Bush hugged for the camera were not even Biloxi locals. Some have even speculated that they were looters who were just individuals wandering in the area that were quickly recruited as props for Bush's faux compassion photo-op. And as we watched the CNN video of loaders and dozers seemingly hard at work to repair the 17th Street levee where Bush was visiting, he told us and the world that progress was flowing - but according to Senator Mary Landrieu, the crew that was working so hard yesterday left and has never come back.

It looks like he was lying to us - again.

This event has shown the world the America that greed has built. A
superpower in name only.

●食糧配給所でブッシュが水や食べ物を配っているのは全くの撮影用にしつらえられた茶番だった。この露天の食料配給所はブッシュが来る前に大急ぎで作られ、ブッシュやメディアクルーが去ったとたんにさっさと片付けられ、水や食料をもらいに集まった被災者は無視された

●ブッシュが抱擁していた黒人女性は、それは撮影された町(Biloxi)の住人でもなんでもなく、このイベントのためにどっかから連れて来られた

●決壊した堤防の修復作業を一生懸命行っていた労働者がCNNのインタビューで「作業はすべて順調にはかどっている」と誇らしげに答えていたが、この労働者は次の日にはバックれてもう現場には戻ってこなかった

3つ目の労働者の話はソースが地元選出の民主党の下院議員なのでアレだが、今回の件で支持率ががた落ちになり政権の危機を迎えて、失地回復の広報に必死になりすぎてボロを出したというところか。
こんなボロを出さなくても、十分嘘っぽい雰囲気はぷんぷん臭っていたから驚かないが、もう現地の被災者の心は逆なでしまくっているだろう。ライス国務長官がアラバマで缶詰かなんか運んでいる映像も見たが、これも作られたステージだったんじゃないかと勘ぐりたくもなる。

白人超保守ネオコンの親玉ブッシュが、911やイラク戦争の時には常に必死の引き締まった表情だったのが、同じくこの自国の危機では明らかにやる気ないか、必死に取り繕うかのどっちかの表情しか見られないし。

もうすぐやってくる 911 では、ブッシュはどんな顔して演説するのかね。

そして、死者は1万人に達する見通しだ、とニューオーリンズ市長が語った。なんってこった・・・

その一方で、地元のテレビ局 4WWL のライブ放送で伝えていたが、ニューオーリンズの Home Depot(DIYの大規模チェーン。家周りのものなら何でも揃う)が再開店したそうだ。ちょっといいニュースで、なんか救われた。
posted by nagoyan at 06:27| Comment(0) | TrackBack(1) | Natural Disaster | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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