2005年09月14日

京大防災研・林先生の言葉

遅ればせながら、9月8日に放送された NHK クローズアップ現代の「巨大ハリケーン衝撃」というカトリーナの被害と対策についての番組の話。

番組の後半で、FEMA が今回のカトリーナで機能しなかった原因、そしてその日本の災害対策への教訓について、京大防災研林春男先生がゲストで分析をされていた。覚書もかねて、ポイントを整理してみる。

9-11以降「テロとの戦争」に傾倒していったブッシュ政権によって、大統領直轄組織から国土安全保障省の下に組み込まれて格下げされ、予算も人も減らされた FEMA。1999年のハリケーン「フロイド」の時は300万人を事前に避難させ、大きな被害を未然に防いだのだが、今ではそれが全くできなくなってしまったのは、今回のカトリーナで露見してしまった。

このことについて林先生は
「FEMAの弱体化の原因として、ひとつは組織変更で大統領との距離が遠くなり、ものを一つ動かすのも多くのステップを踏まなければならなくなったこと。閣僚から局長級にトップが格下げされたため、(ハリケーン来襲時に)緊急に多くの資源を動かそうとしても指揮命令系統も複雑化し、スケールも小さくなってしまった。
もうひとつはテロ対策の専門家が増えて災害対策の専門家が減ってしまったこと。」
と分析されている。

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posted by nagoyan at 23:12| Comment(4) | TrackBack(0) | Natural Disaster | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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